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本足場の義務化で安全性が向上!義務化の内容や影響は?

10月31日

読了時間:6分

トータルサポート株式会社

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建設現場に設けられた足場の絵

厚生労働省は、足場に関する法定の墜落防止措置を定める改正労働安全衛生規則を改正し、足場からの墜落防止措置を強化しました。


この安全衛生規制は2024年4月1日から順次施工しております。


義務化における詳細や、どう影響されるのか等を、この記事で紹介していきたいと思います。




1.改正内容


①一側足場の使用範囲が明確化されます

幅が1m以上の箇所において足場を使用する時は、原則として足場を使用する事が必要に。


②足場の点検時には点検者の指名が必要になります

注文者が足場の点検を行う際は、あらかじめ点検者を氏名する事が必要に。


③足場の組み立て後や変更後の点検後に、点検者の氏名の記録と保存が必要になります

組み立て・一部解体・変更等の点検後に、点検者の氏名を記録と保存する事が必要に。


④上記三点を確実に行う為の経費確保

労働災害防止対策を確実に実施するため、安全衛生経費については適切に確保する事。



2.各改正内容の詳細について

足場を使用して安全に高所作業する作業員

①一側足場の使用範囲が明確化されます


2024年4月1日以降、幅が1m以上の箇所において足場を使用する時には、原則として本足場を使用する必要があります。

尚、幅が1m未満の場合であっても、可能な限り本足場を使用する事。

吊り足場の場合や障害物の存在、その他場所の状況により本足場の使用が困難な時は、本足場を使用しなくても差し支えありません。


「幅が1m以上の箇所」に関する留意点


足場設置のため確保した1m以上の箇所について、その一部が公道や私有地にかかり使用許可が得られない場合、1m以上の箇所に含みません。

足場の使用にあたっては可能な限り幅1mを確保してください。


●「障害物の存在、その他場所の状況により本足場の使用が困難な時」とは


(1)足場を設ける箇所の全部又は一部に、室外機など撤去困難な障害物があり、建地を2本設置する事が困難な時。

(2)建築物の外面の形状が複雑で、1m未満毎に隅角部を設ける必要がある時。

(3)屋根等に足場を設ける時、足場を設ける床面が著しい斜面の時、足場を設ける床面に凹凸がある時、など建地を2本設置する事が困難な時。

(4)温足場を使用する事により、建築物と足場との間隔が広がり、墜落転落の災害リスクが高まる時


●留意点


足場を設ける箇所の一部に撤去が困難な障害物がある時、建物の一部を一本とする場合は、足場の動揺や倒壊を防止するのに十分な強度を有する構造としなければなりません。

また、建築物と足場との間隔は、30cm以内とする事が望ましいです。



②足場の点検時には点検者の指名が必要になります


●指名方法


指名方法は「書面で伝達」「朝礼等に際し高騰で伝達」「メール電話等で、あらかじめ点検者の指名順を決めて、その順番を伝達」等、点検者自らが点検者であるという認識を持ち、責任を持って点検が出来る方法で行うこと。


●点検者について


・足場の組み立て等作業主任者であって「足場の組み立て等作業主任者能力向上教育」を受講している者

・労働安全コンサルタント(試験の区分が土木又は建築である者)等、労働安全衛生法88条に基づく足場の設置の届出に係る、「計画作成参画者」に必要な資格を有する者

・全国仮設安全事業協同組合が行う「仮設安全監理者資格取得講習」を受けた者

・建設業労働災害防止協会が行う「施工管理者等の為の足場点検実務研修」を受けた者


など十分な知識経験を有する者を指名する事が適切です。

また「足場等の種別点検チェックリスト」を活用する事がより望ましいです。



③足場の組み立て後や変更後の点検後に、点検者の氏名の記録と保存が必要になります

チェックリストを使用してチェックをする人

2024年10月1日より施工された要項となります。


事業者又は注文者が行う足場の組み立て、一部解体または一部変更の後の点検後に、②で指名した点検者の氏名を記録及び保存しなければなりません。


この記録は一定期間保存され、事故があった場合は責任が問われる為、しっかりとした点検が求められます。


●点検のタイミング


足場の組み立て後や、一部変更及び一部解体後、使用する前の毎回、悪天候後や地震の後、などとなっています。


●留意点


足場の点検後の記録および保存にあたっては「足場等の種類別点検チェックリスト」を活用する事が望ましいです。



④上記三点を確実に行う為の経費確保


建設業における労働災害の発生状況は、長期的に減少傾向にあるものの、所謂一人親方を含めた建設工事従事者全体では、墜落災害をはじめとする建設工事の現場での災害により、年間約400人もの尊い命が亡くなっています。


労働安全衛生法では元請負人および下請負人に労働災害防止対策を義務付けています。

それに要する経費は元請負人および下請負人が義務的に負担しなければない費用で、建設業法第19条3に規定する「通常必要と認められる原価」に含まれます。


建設工事請負契約はこの経費を含む金額で締結する事が必須です。



3.本足場の義務化でのメリットは?

高みへステップアップする男性達

上述した建設工事の現場における災害の中で、墜落・転落事故によるものは全体の約4割を占め、足場での作業時が最も多い状況です。


これまでの小規模工事では一側足場が多く使用されていました。

本足場より部材も少なくコストが抑えられますが、手すりの設置も義務付けられていない等、その分安全性が低くなっています。


現場ではコストや手間が増えるといった理由から、簡易的な足場で済ませるというケースも多く、こういった一面が事故に繋がっていると予想出来ます。


本足場の義務化により、こういった安全面が向上されます。



4.本足場の義務化でのデメリットは?


簡単に言ってしまえば、工事費用と工期増加です。

本足場は一側足場より多くの材料を使用するので、設置の手間や材料費が増える事は明白です。


設置に時間がかかれば1日に回れる現場数も減る為、今まで通りの単価では採算が合わなくなります。

また近年の材料費の高騰の影響も受けるはずです。


これにより足場の設置にかかる費用は高騰すると予想されます。



5.まとめ


簡易化する為に今まで一側足場で済ませていた現場も、可能な限りは本足場での施工が義務化されました。


この義務化を受けコストや手間が増加してしまい、足場設置にかかる必要は高騰するかと予想がされます。

しかし、問題視されていた墜落事故は減り、今まで以上に安全意識が高まります。


もちろんデメリットもありますが、工期やコストを優先させていた悪しき習慣から、現場で働く職人さんを守る良い方法だと思います。


今回の本足場の義務化を機に、安全に関する知識や技術が向上し、他部分でも安全対策が進む事を願います。

10月31日

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