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2024年10月より火災保険の値上げ!?

10月12日

読了時間:5分

トータルサポート株式会社

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大手損害保険4社が火災保険の値上げを発表しました。


火災による被害は、防火設備の進化やオール電化住宅の普及に伴い、減少傾向にあります。

それにも関わらずなぜ火災保険の保険料が値上げされるのでしょうか?


値上げの背景や火災保険の仕組みに触れながら解説していきます。



■火災保険の値上げ、「背景」


・自然災害の増加


相次ぐ自然災害で、保険金の支払いが急増している事が、背景の一つとして挙げられます。

火災保険で対応する損害のうち、6割以上は自然災害となっています。


(出典:一般社団法人 日本損害保険協会「損害保険協会ファクトブック2022」)

(出典:一般社団法人 日本損害保険協会「損害保険協会ファクトブック2019」)


上記の表でわかるように、過去の支払い保険金額の上位10位が、直近10年に7つも発生しています。


火災保険の支払保険金は業界全体で急激に増加しており、この傾向が保険料の値上げに影響を与えたと考えられます。



・資材や人件費の高騰による修理費の高騰


保険金額は建物の評価額に基づき決定されます。

評価額の算出方法は、「再調達価格額」か「時価額」の2パターンありますが、最近では「再調達価格額」で評価するのが一般的となっています。


再調達価格額とは、同じ構造で同じような建物を建て直す場合の、再建価格を指します。

そのため再調達価格額は物価と共に変動します。


建築資材をはじめとする人件費や物流コストの高騰の影響を受け、再調達価格額も上がってきている事も原因の一つでしょう。



・高経年マンションの増加が進んでいる


水漏れや、災害時の建物倒壊などは、建物の老朽化による影響を受けています。

そのため築年数が古いほど保険料は高くなります。



■火災保険の値上げ、「ポイント」


・参考純率の13%上昇


「参考純率」とは、各保険会社が保険料を算出する際に目安として使用できる、「純保険料」の事です。


参考純率とは、純保険料率と付加保険料率とは

(参考:損害保険料算出機構「火災保険参考純率」)


損害保険各社で作る損害保険料算出機構は2023年6月28日、個人向けの火災保険料の目安となる「参考純率」を、全国的に平均13%引き上げると発表しました。


2014年からこれまで、段階的に数パーセントずつ引き上げられてきましたが、2024年10月に実施された引上げ幅は過去最大となります。



・水災料率の見直し


水災料率とは、火災保険料を計算するにあたり、水災リスクを保険料に織り込む為のものです。


これまでは全国一律の料率でありましたが、近年水害による損害が増加している事から、2024年10月に水災料率が見直されました。


地域による水災リスクの違いによる公平な観点から、市区町村単位で1~5等地に細分化されました。


水災料率を細分化した保険料較差のイメージ図

(出典:損害保険料算出機構「水災料率の細分化について」)


1等値と比較すると5等地は約1.2倍の保険料となり、水災リスクが高いエリアにお住まいの方は、火災保険料が値上がる事となります。


お住いの地域の水災等地を調べたい方は、下記のサイトで簡単に調べる事が可能です。



■値上げをする大手保険会社


以下4社が2024年10月1日より、同時に価格改定をしております。


①AIG損害保険株式会社

②損害保険ジャパン株式会社

③東京海上日動火災保険株式会社

④三井住友海上火災保険株式会社



■見直しが必要な方


・リスクが低い地域にお住まいで、水災補償を付帯している方


例えば、マンションの高層階に住んでいて水災のリスクが低い場合は、水災補償は必要ない可能性が高いです。


また、上述した水災等地を調べるサイトで検索して、お住いのエリアが1等地であった方も、水災補償は必要のない可能性があります。


しかし、いくら1等地であったからといって、必ずしも水災に遭わない訳ではありません。


水災補償を付帯すると保険料が上がってしまうので、自分にとって必要な補償を今一度考える必要があります。



・1年契約を結んでいる方


過去、2014年に最長契約年数が36年から10年に、2021年に最長契約年数が10年から5年に改定されており、2024年現在の最長契約年数は5年間となっています。


その5年間の中でも、短期契約になればなるほど、保険料が高くなります。


また、今まで立て続けに保険料の値上がりが続いている事も考慮して、今の価格のうちに5年契約を結んでおいた方が得策でしょう。


仮に今後5年以内に値上げとなっても、既に契約済みのため値上げは適用されず、値上げのタイミングを引き延ばせます。



■まとめ


最近の異常気象や物価高のせいで、保険会社の支払保険金が年々増加している事で、火災保険の値上げに繋がってしまいました。


また、これまでは水災のリスクに関係なく、全国で一律であった「水災料率」が改定され、地域ごとに5つに細分化されました。


これにより、保険料が高い地域は、安い地域に比べて、約1.2倍となります。


仮に4等地であっても、マンション高層階にお住まいであれば、水災補償は必要ない可能性もありますよね。


ハザードマップや水災等地をご確認いただき、必要な補償について考えなおしてみましょう。


保険料が上がってしまっても、特約や保険金額で調整も出来るので、お困りの際にはご相談下さいませ。


弊社では保険代理店のご紹介も承っております。







■参考

・損害保険料率算出機構「火災保険参考純率改定のご案内」(https://www.giroj.or.jp/ratemaking/fire/202306_announcement.html)

・損害保険料率算出機構「水災料率の細分化について」

(https://www.giroj.or.jp/ratemaking/fire/202306_announcement_attachment.html)

・一般社団法人 日本損害保険協会「日本の損害保険ファクトブック2022」(https://www.sonpo.or.jp/report/publish/gyokai/ev7otb0000000061-att/fact2022_full.pdf

・一般社団法人 日本損害保険協会「日本の損害保険ファクトブック2019」(https://www.sonpo.or.jp/report/publish/gyokai/ev7otb0000000061-att/fact2019_full.pdf

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