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2025年に一体何が起こる?2025年問題を徹底解説!

11月30日

読了時間:6分

トータルサポート株式会社

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「2000年問題」「2020年問題」「2024年問題」など、「○○年問題」という名称の社会問題は度々耳にしますよね。


来年2025年も「2025年問題」と呼ばれる社会問題が懸念されています。


「2025年問題」とは一体どのような問題の事を指すのでしょうか?

私達の生活や仕事にどの様な影響を及ぼすのでしょうか?


分からない事だらけの「2025年問題」を、本記事は解きほぐしていきたいと思います。




■2025年問題とは?


国連とWHO(世界保健機関)は、65歳以上の人口が総人口の21%を超えた社会を、超高齢社会と定義していますが、日本は2007年の段階でこの超高齢社会に突入しています。


2007年に突入している超高齢社会は更に拍車をかけ、2025年には1947~49年生まれの団塊世代が75歳以上に達し、国民の5人に1人が後期高齢者となります。


これにより起こりうる問題を「2025年問題」と呼びます。



■超高齢社会によって懸念される社会問題


✔️社会保障費の負担の増加


社会保障費とは、年金・医療保険・介護保険・生活保護などの社会保障制度に基づき、国が支出した費用です。


社会保障給付費の見通し
*社会保障給付費の見通し*   資料出所:内閣官房全世代型社会保障構築本部「人口の推移、社会保障費の見通し」

2021年の高齢者が給した社会保障費は、社会保障費全体の60.1%にも及びます。



高齢社会がますます進むと、年金・医療費・介護費なども比例して増加するので、支出が増加します。


つまり、これからも増加の一途を辿る社会保障費を、減少し続ける現役世代で支える構図になり、現役世代1人あたりの負担が増えてきます。


💡政府は超高齢社会による社会保障費の増大に対応するため、社会保障制度の見直しを進めております。


・後期高齢者の医療日の自己負担額の見直し

・地域包括ケアシステムの構築  など



✔️医療介護の体制維持が困難に


超高齢社会では医療や介護のニーズはますます高まり、医療介護業界に多大な影響をもたらします。


2021年時点で462万人と推計されていた認知症高齢者は、2025年には700万人に増える見込みです。


しかし、現役世代の人口は減少の一途を辿っている為、深刻な人手が懸念されています。

このままでは医療や介護の体制維持が困難になる事は避けられません。


💡こういった課題に対し政府は、人材確保の為の取り組みを行っています。


・医療従事者への賃金のUP

・参入を促進するイベントの開催

・新任の介護人材が働きやすい環境作り

・子育てしながら働ける環境作り  など



✔️企業の人手不足


2025年を前に、様々な業界で既に人材不足の課題が深刻化しており、2030年には人手不足は約644万人にのぼると予想されています。


2030年の産業別 人手不足推移
*2030年の産業別 人手不足推移*  資料出所:パーソル総合研究所「労働市場の未来推計2030」

年齢階層別の建設技能者数(令和3年度)
*年齢階層別 建設技能者数(令和3年度)*  資料出所:国土交通省「最近の建設業を巡る状況について」

建設業における高齢化割合
*建設業における高齢化の割合*  資料出所:総務省「労働力調査」

建設業界では55歳以上の従事者が3割以上であるのに対し、29歳以下は約1割と低くなっています。


今後の10年間で、全体の1/4を占める60歳以上のベテラン層が、大半引退すると見込まれており、若者への技術継承が難しくなる事も、問題の一つとして挙げられます。


若い世代の人材確保や育成、働き方改革による効率化、DX化による生産性の向上、などが喫緊の課題となっています。


💡こうした問題に対し政府は、労働基準法の見直しなど、積極的に対策をしています。


・2024年4月には罰則付き時間外労働時間に上限を設けた

・公共工事では週休2日制モデルを導入

・「65歳超雇用推進助成金」の支給

・パートやアルバイトの方の社会保障制度加入に伴う「年収の壁対策」  など


【関連記事】社会保険の適用拡大に伴う「年収の壁対策」について

【関連記事】2024年10月よりパートタイムで働く方も社会保険の加入対象に



✔️経済縮小


中小企業庁によると、2022年時点で中小企業・小規模事業者の多くは、60~74歳となっています。


中小企業経営者の年齢分布の変化
*中小企業経営者の年齢分布の変化*   資料出所:日本政策金融金庫総合研究所「中小企業の事業継承に関するインターネット調査2023年」

2025年までに中小企業・小規模事業者の経営者のうち、約245万人が平均引退年齢である70歳を超えます。


しかし、245万人の中の約127万人の後継者が、まだ決まっていない状況です。


中小企業・小規模事業者は、企業運営の大半を経営者自身の経営スキルに依存しており、127万人の後継者未定の事業者のうち大半は、黒字廃業の可能性が高いと言われています。


経営者が持つ技術やノウハウなど、日本の経済資源を守るためにも、後継者の養成や資産の引き継ぎ等が、喫緊の課題となっています。


そこで第三者継承(M&A)の需要が増大すると見込まれています。


💡こうした問題に対し政府は、中小企業・小規模事業者をサポートするため、以下の様な取り組みをしています。


・「事業継承・引継ぎセンター」等の公的相談窓口

・「事業継承税制」「経営資源集約化税制」などの税負担を軽減するための制度

・「事業継承・引継ぎ補助金」など補助金制度の導入  など



✔️少子化に拍車


少子化により現役世代が減少する事で、多くの業界で人材不足が懸念されています。


企業側は採用競争も激しくなると予想され、新しい人材の確保が困難になるでしょう。

一方で、労働者側の採用率は上がり、競争率は低下すると想定されます。


そのことで、スキルアップをしようという意欲も薄れていくのでは、という心配があります。



■企業側が取り組むべき対策は?


✔️働き方や環境の改善促進


多様な働き方を推進する事が、人材確保に繋がってきます。


企業は高齢者や女性や外国人材など、様々な立場の人が多様で柔軟な働き方を選べる、そんな環境整備を行う事が求められます。


2027年より新しい在留資格が創設される予定の為、外国人材は81万人程増える見込みです。


また、多様な働き方を支援するために、様々な助成金を用意しておりますので、是非活用してみて下さい。


【関連記事】令和6年度の働き方改革推進支援助成金とは



✔️ビジネスケアラーへの対応


ビジネスケアラーとは、仕事をしながら介護をする人々の事です。


経済産業省の推計によると、2030年時点で家族介護者は約833万人にのぼり、そのうち約40%がビジネスケアラーだと予想されます。


ビジネスケアラーの推移
*ビジネスケアラーの推移*  資料出所:経済産業省「介護政策」

このビジネスケアラーが離職してしまうと、生産性の低下により予測される経済損失は、約9兆円にも及びます。


これに対し企業は、従業員が仕事と介護を両立できるような環境作りを、社内制度で整える必要があります。



✔️早期からの後継者育成


後継者不足による事業存続や経済規模縮小の危機を防ぐ為にも、早期からの後継者育成が必要となってくるでしょう。


セミナーの受講や資格取得への支援体制も整える必要が出てきそうですね。


中小企業大学校」といった、実践的な研修を受講できる公的支援制度もありますので、ご興味があれば是非調べてみてください。



✔️DX化の促進


人手不足による生産性の低下にはDX化が効果的であります。


人の手でやらなくてはいけない作業のみに人員を割けば、課題である人手不足の解消にも繋がりますし、労働者への負担も軽減される事でしょう。



■まとめ


「2025年問題」とは、超高齢社会が進む事で訪れる、様々な影響の総称です。


少子化による人手不足・社会保障費の負担増・医療体制の破綻・経済規模の縮小など、懸念されている様々な問題について解説してきました。


政府も深刻な問題と捉えており、必要な対策を検討し整備したり、既存の制度の見直しを行っています。


企業側もこれから想定される課題に対して、柔軟に社内制度を整える必要があります。


また、2025年の1年間だけ凌げば良い問題ではなく、今後持続するであろう社会問題のため、なるべく早期に対策をする事が求められるでしょう。



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