雇用系の公的助成金は、企業の経営を助け、雇用の維持促進を目的として、主に厚生労働省が中心となって行っております。
雇用系の助成金は【雇用維持】【新規雇用】【人材育成】等が一般的ですが、【労働環境の整備】が助成対象となる事もあります。
公的助成金は、各助成金の受給要件の他に、共通要項を満たしたうえで、申請が可能となります。
融資とは異なり返済が必要なく、要件を満たせば必ず貰える助成金は、事業の大きな支えとなります。
これから申請をされる方に参考にしていただける、共通要件についてまとめてみたいと思います。
①まずは現状の把握
まず、“労働時間の記録と正確な把握が出来ているか””時間外労働等の割増賃金を適切に支給出来ているか”等、日々の労務管理が正確に行われているのかどうかが重要となります。
・タイムカード/ICカード/パソコン/手記で記録をつけ確認が出来るか
・労働時間の記録に関する書類は労働基準法第109条に基づき3年間保管する事
・労働基準法第108条に基づき賃金台帳を作成する事
②助成金を貰う為の共通要件とは?
以下の(1)~(3)の全てを満たす必要があります。
(1)雇用保険適用事業所の事業主である事
助成金の財源は雇用保険の一部となります。
事業主の方は個人法人関係なく、雇用保険の加入手続きが必要です。
(1人でも労働者を雇っている場合は、被保険者資格取得の届出を事業所所在地が管轄するハローワークで、必ず手続きしましょう。)
(2)支給の為の審査に協力する事
公的なお金を使う為に実地審査が行われる場合があります。
具体的には以下3点の対応が出来るようにしておきましょう。
・審査に必要な書類を保管する事
・審査に必要な書類の提出を管轄労働局から求められた場合に応じる事
・管轄労働局の実地調査を行う事
(3)期間中に申請を行う事
助成金によっては時間指定があり、受付を締め切る事もあります。
また、書類の提出方法が郵送や持参と指定されているケースもありますし、提出のための事前予約が必要なケースもございます。
期間中であっても詳細をしっかりと把握し、時間に余裕を持って準備をしていきましょう。
③受給が出来ない事業主の要件は?
以下のいずれかにあてはまる事業主の方は、助成金の申請も受給も出来なくなっています。
・平成31年4月1日以降に雇用関係助成金を申請し、不正受給による不支給決定または支給決定の取り消しを受けた場合、当該不支給決定日または支給決定取り消し日から5年を経過していない事業主
※尚、5年経過後であっても、不正受給による請求金を納付していない事業主は、納付日まで申請出来ません。
・申請日の属する年度の前年度より前の、いずれかの保険年度の雇用保険料を納入していない事業主
※申請日の翌日から起算して2カ月以内に滞納分が清算されていれば問題なく申請が出来ます。
・支給申請日の前日から起算して、1年前の日から支給申請日の前日までの間に、労働関係法令の違反があった事業主
・性風俗関連営業、接待を伴う飲食営業または、これらの営業の一部を受託する営業を行う事業主
・事業主または事業主の役員等が暴力団と関りのある場合
・事業主または事業主の役員等が、破壊活動防止法第4条に規定する動力主義的破壊活動を行った、または行う恐れのある団体に属している場合
・申請日または支給決定日の時点で倒産している事業主
・不正受給が発覚した際に、都道府県労働局等が実施する事業主名簿の公表について、予め同意していない事業主
④メリットは?
・銀行からの融資とは異なり、返済の必要がありません
要件を満たしていれば誰でも受給が可能となるので、事業の為に活用しない手はないですね。
・受給実績がつく
助成金の受給には厳格な審査があり、その審査を乗り切ったという事は、法令を守っている健全かつ安定した事業主だと、国からの墨付きを貰っている事と変わりません。
そのため受給実績があるだけで、企業のイメージUPに繋がります。
・のちに公的融資を受ける際に有利となる
助成金の受給は大変面倒ではありますが、イメージUPと実利の面で効果が出てきますので、要件を満たす助成金があれば是非チャレンジしてみてください。
⑤まとめ
実際にどのような助成金制度があるのか、御社が申請出来る助成金があるのか、どの様な手続きをすれば良いのか、まだまだ分からない部分も多いかと思います。
助成金や補助金に興味があるとご一報いただければ、弊社のスタッフが調査しご提案をさせていただきます。
改めて記事にも致しますが、お気軽にお問合せ下さいませ。