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建設業あるある「工事代金の未払い」にどう対処する?

2月9日

読了時間:6分

トータルサポート株式会社

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元請業者からの工事代金の未払いは、建設業界ではよく起こります。


元請業者から受注した工事の代金が未払いの時は、下請け業者はどういった対応をとれば良いでしょうか。


請求が遅れれば遅れるほど、回収率は下がっていきます。


スピーディーに適切な対応をしなければ、従業員や事業主自身の生活にも関わりますし、最悪の場合は会社経営にもダメージが来るでしょう。


本記事では、未払の工事代金の回収方法や、事前に取れる対策など、解説していこうと思います。



①工事代金の未払いが発生する理由は?


1.契約書に問題があるケース


請負契約書を締結したにもかかわらず、代金の支払い時期や回数などについて、記載していないケースです。


大きな工事で無ければ工事代金は完成後に一括で支払われる事もあります。


しかし、工期が長い工事であったり、金額も大きな工事の場合は、工事開始時(着手金)→工事期間中の出来高(中間金)→完成後(最終金)などと、複数回の支払いが定められているのが普通です。


他にも、工期の途中で資材が高騰した場合には、元請業者と下請業者のどちらが負担するのか等、定める事も多くなっています。


契約書の作成は建設業法で義務付けられていますが、契約書を作成していないケースもまだまだ多く、トラブルが発生する事も多くなっています。


契約を締結する段階からリスク管理をしっかりとしましょう。



2.元請業者の資金繰りが悪化したケース


元請業者の資金繰りが悪化し、支払いが出来なくなってしまっている、というケースもあります。


A工事では元請業者の立場にある業者も、B工事では下請業者となる事も多いので、一時的に資材費用を建て替えなくてはならない事が往々にしてあります。


他にも、「現場での事故が発生して安全配慮義務違反を追求されている」「施工ミスをして瑕疵担保責任を追及されている」等、資金繰りが悪化する原因には様々な要因が考えられます。



3.完成した建物を先に引渡してしまったというケース


請負契約では、完成した建物の引渡と同時に報酬を支払わなくてはならない、とされています。


しかし弱い立場の下請業者では、元請業者の要望を優先し、代金の支払いよりも先に、完成した建物を引渡してしまう事があります。


先に引渡してしまうと、支払いを請けるまでは建物を引き渡さないという留置権を、行使できなくなってしまいます。


引渡し時期についてはこの点に注意をしましょう。



②未払いの工事代金を回収する方法


上述したポイントにいくら気を付けていたとしても、未払いの事態に遭遇してしまう事もあります。


そうした際には早期に行動する事で、代金の回収がしやすくなります。


1.回収の流れ


一般的には次の流れで試みる事が多いです。


未払いの理由を確認する

未払いが発生している理由によって、取るべき対応が変わってくるため、まずは工事代金が支払われない理由について、しっかりと把握するようにしましょう。



交渉による催促・催告をする

不払いに陥った理由が分かれば、それに応じた提案などを行い、当事者間での交渉によって、支払いの催促を行う。



弁護士名義の書面で工事代金を請求する

当事者間で解決が出来なければ、弁護士名義で請求をします。

内容証明郵便等の方法でこれを送付します。



法的措置をとる

弁護士名義で請求しても元請が支払いに応じなければ、法的措置に移行する事となります。



2.法的措置の流れ


■支払督促

裁判所から債務者に対し督促をしてもらう手続きです。

債務者から督促異議がなければ通常の訴訟に進みますが、そうでなければ1.2ケ月程度で強制執行手続きを行う事が出来ます。



■訴訟

裁判を起こし支払いを求めます。

勝訴出来れば工事未払い代金を強制的に回収することが出来ます。

訴訟の途中で和解によって解決する事もあり得るので、判決よりも早期に解決できる可能性があります。


しかし、訴訟から判決までの間に元請業者の資金繰りが悪化する等した場合には、たとえ勝訴したとしても回収が不可能となり、工事未払い代金の回収は叶わないといったケースもあります。


この様な事態を防止するために、訴訟を提起する前に仮差押えを行う事により、財産の保全を行う事が出来ます。


仮差押えの対象となる財産は、所有している不動産・銀行預金・工事代金債権等が考えられます。



■強制執行

債務名義がある場合は強制執行手続きによって強制的に代金を回収する事が可能です。



③覚えておくべき点


1.立て替え払い制度


工事代金のみ場合などによって雇用している労働者への賃金支給が滞った場合、元請業者が特定建設業者であれば、建て替え払い制度を受ける事が出来ます。


特的建設業者は直接契約している一次下請業者だけでなく、一次下請業者から発注を受けた二次請けや三次請けの業者も保護する義務を負っています。



2.工事代金の請求には時効があります


消滅時効に注意する必要があります。


請負契約に基づく工事代金債権は、権利を行使する事が出来る時から10年、権利を行使する事が出来ると知った時から5年で時効により消滅します。



3.遅延損害金の請求も出来る


合意した支払期限を過ぎても支払いがない場合は、遅延損害金を含めて請求する事が可能です。


遅延損害金は民法第404条2項に従い年3%となります。



4.契約書が無い場合も請求できる


契約書の作成は義務付けられていますが、たとえ口頭での契約や合意であっても、契約は有効に成立しています。


しかし契約書が無い状態でトラブルになった場合は、自社にとって不利益な結果となる可能性が高いです。


万が一に備えて面倒でも契約書は作成しておくようにしましょう。



④まとめ


工事代金未払いのトラブルは建設業界出のあるあるの1つです。


未払いをされたらどう対応をして回収をしていくのか、事前知識として持っておくと安心が出来ますね。


ポイントとして以下の点を覚えておくのが良いでしょう。


・契約書の作成や引渡し時期については注意をする

・早期に対応をする事で回収率がUPする

・不払いの理由によってとるべき対応が変わる

・交渉で上手くいかない場合は弁護士に相談をして法的措置をとる

・元請業者の経営悪化が原因の場合は仮差押えを先に行う

・元請業者が特定建設業者であれば立て替え支払い制度が利用できる可能性がある

・遅延損害金も請求が出来る


実際に工事代金の回収が出来ない業者様は是非お気軽にご相談下さいませ。


会員業者には建設業界に強い弁護士をご紹介しております。


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